ネットオークションで購入したタイヤ4本のうち、1本に不具合があると相談がありました。
秋ごろに軽自動車のホイール付きスタッドレスタイヤをオークションサイトにて個人売買で安く落札でき、2ヶ月ほど自宅で保管していたそのタイヤを最近車に装着したところ、翌朝、1本のタイヤのエアーがかなり減っていたとのことです。
スタンドにてエアーを補充しても翌朝にはまた半分くらいまで減ってしまい、当社へお電話をくださったようです。
とりあえず現物を見せていただきたいので、お客様のお宅へお伺いしタイヤを預かって工場へ持ち帰りました。
タイヤは、一見すると残溝もあり比較的綺麗なタイヤでしたが・・・
お気づきになりますか?
まず、製造年週がかなり古いんです。
写真の「CNF357]、この「357」が製造年週です。(最初の2桁が製造週、その次が製造年です)
2000年以降はこの表示が4桁になり、例えば「2516」ならば『2016年の25週目』に製造したタイヤになります。
1999年までは3桁の表示ですので、今回のタイヤは『1997年の35週目』の製造です。
そう、19年前のタイヤということです。
19年前のタイヤって・・・(゚Д゚)
ちなみに、残溝を計ってみると4.92mmありました。
まあ、製造年週を知らなければ、そこそこ使えるタイヤって思えちゃいますよね。
でも、ひとつ前の写真をよく見ると、細かく小さな亀裂が無数に見えます。
オゾンクラックといって、経年劣化で発生するヒビ割れです。
製造後数年の若いタイヤでも発生することがあり、その場合は使用してもすぐに破裂することはまずないでしょうが、できれば交換した方がいいですね。
エアーを充填し、石鹸水をタイヤのビード部にかけてみると、案の定ビードから数か所エアーが漏れていました。
念のためバルブやトレッド面なども確認しましたが、漏れはビード部分のみでした。
石鹸水をかけて1~2分でこんな状態ですが、一気に漏れる訳ではないのでこの状態でも走れてしまうため翌朝まで気付かなかったのでしょう。
この後、ホイールからタイヤを外してみると、ホイールのリム部分に錆が発生しており、そこから少しずつエアーが漏れてしまっていたようです。
(写真を撮ったのですが、保存されてませんでした・・・痛恨のミスです)
また、ゴムもかなり固くなっており、ホイールから外す際にビードがかけてしまうほどでした。
事前に「かなり古いので、点検の際にホイールから外す際に切れてしまう可能性があります」と伝えておいてよかった・・・
お客様に状態をお電話でご説明したところ、このタイヤは廃棄処分となりました。
オークションでは「ノークレーム」が前提となっており、今回も『製造は古いがバリ山スタッドレス!』と書かれていたそうです(-_-;)
確かにバリ山スタッドレスですが・・・
皆さんも『製造年週』や『ヒビ』などには十分に注意してくださいね!
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